暗部補正というからには、「暗い」ところのみが明るくなって明るいところはそのままという認識があったのだが、そうではないらしい。
「暗い」というよりは「黒い(色の濃い)」ところを明るくするような効果が得られている気がする。
なので、白黒の新聞のようなものを暗部補正にかけると、新聞の黒の部分がグレーっぽくなる。別に「暗い」わけじゃないのに。
人間の目で見たら「ここは影」「暗い」とわかるものをソフトウェア的に同じように判断するのはまだ難しいのだろうか。
「顔認識」がそこそこうまくいくのだから、「暗部認識」もスマートにやってのけると思っていたのだが、若干期待しすぎたようだ。
個人的には「暗部補正」と「明部補正」の両方を実現してほしいと思っているのだが。
つまり「黒くつぶれた部分」明るく持ち上げ、「白く飛んでしまった部分」を落として見られるようにする技術。
ま、この部分は補正で対処するよりもハードウェア側の CCD/CMOS のダイナミックレンジの向上で実現するほうが望ましいと思っているけれど。
ダイナミックレンジの話 (CCDとCMOSとヒトの目の違い、ダイナミックレンジの考察@池袋某ビルの屋上 - HDRiな生活)
ISO感度の設定の概念をなくすほどにダイナミックレンジを広げてしまう革新的な技術が現れますように・・・
且つ、ダイナミックレンジの幅は任意で選べるように。
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とりあえずの検証画像を用意しました。

(1),(2)はPowerShot G10 にて2回とも同じ状況で連続して撮影。
(3)は(1)の画像を元にソフトウェアでレベル補正をかけてできるだけ(2)に近づくように補正をかけてみた結果。
左側の暗いところの補正具合と、右側の明るいところの補正具合、文字の濃さを見比べてみてください。
どうでしょうか、私にはこのレベル補正と暗部補正の結果がとてもよく似ているように見えました。
ということは、暗部補正は写真を撮った後でいつでも可能な補正と考えられます。
要するに、白トビや、黒ツブレを救済するテクノロジーではないのです。たぶん。
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NN Space BLOG-NN空間ブログ: FinePix F200EXR のダイナミックレンジ優先モードこそ本物では