2013年ごろは、オーディオの瞑想もとい迷走をしており、いろいろ高価なものを買っては返品したり、売却したりで落ち着きませんでしたが、第一四半期ごろでしたでしょうか。ぺるけ式 ヘッドホンアンプの「自作」に突入。
今まではまったくといってそういう自作はしたことがなく、良くても ケーブルの半田付けだけでした。
まあ、小学生のときに[電子工作講座」を取っていたので、それからの半田付け経歴は結構あるのですが。
さておき、昨年からは その迷走は ただ単にお金を払って 機器を購入するというわけではなく、[自作]という味付けも加わったわけです。
その当時、すでに 真空管ヘッドホンアンプのCarrotOneは入手しており、この音には納得していました。これを買うきっかけは、同僚の某イギリス人に私の求める音を伝えたところ彼が[真空管がいいよ]といってくれたので、手ごろなものを買ったわけです。しかしながらこのアンプ、ボリューム操作がシビアで、電源On/OFFもかねているので決まったボリューム位置で聞くことが難しく、そこがネックでした。
そんなころ、ぺるけ式HPAを作ってみようかという機運が高まり作ってみたのですが、これがその当時はとてもいい音で、CarrontOneの変わりになる!と思えたのでそこからは ぺるけ式HPAをずっと使ってきました。
そして、PCの音もUSBDACで聴けるように改修。便利なようにLINEセレクターも内蔵。
USB-DAC 完成!: NN Space BLOG-NN空間ブログそれまでは音楽を聴くというと スピーカーで鳴らし、夏場は聞かない、秋冬春に聴くというスタイルだったのが、年がら年中HPAで聞くスタイルに変わってしまいました。
そうこうしているうちに、回路定数の変更イベントがあったり
ぺるけ式 FET式差動ヘッドホンアンプ Version 3 の ダイヤモンドバッファ抵抗回路定数変更の対応: NN Space BLOG-NN空間ブログUSB−DACのローパスフィルターにトランスを使うように変更したり(このころはまだ消費税が5%でしたね)
ぺるけ式 トランス式USB DAC に改造完了: NN Space BLOG-NN空間ブログとか
ぺるけ式 トランス(TK-20使用)式USB DAC のLPF回路定数変更 改造完了: NN Space BLOG-NN空間ブログということをしてきました。
ここらあたりまでは幸せでした。いい音(気にいった音)で聴いていると思っていたんです。
ところが、
ぺるけ式 AKI.DAC + トランス(TK-20アンバランス接続)+ 2.7mH インダクタ使用の LPF(LC)回路の差換え工作 / 4Pラグに全部載せ版(スマート配置): NN Space BLOG-NN空間ブログこの時期から、何か音の傾向が変わり始めました。しかしまだいい傾向だと思っていたんです。
ところが最近やっぱりどうしてもと思って、CarrotOneを引っ張り出して聴いてみたところ、明らかに音の傾向がぺるけ式FET差動HPAとは異なることが良く分かりました。
しかもこの音の違いはベースとなるHPA部のみに起因しているってことなんです(上記のUSB−DAC部とか、それに付随するローパスフィルタやトランスなどなどの改造の経過とはまったく無関係のこと)
CarrotOneは音に張りと艶があるような感じですが、ぺるけ式FET差動HPAは ふわっと広がってすっきりとしていて破綻のない音です。聴き疲れはしないのですが素直すぎる音です。
何かが変わってしまったのでしょうか、疑問が生じました。
今までの回路の改造や、コンデンサーの追加などで 想定外の動作をしているのではないかと思うようになりました。
そこで今回、
http://www.op316.com/tubes/hpa/version3.htmに記載してある電圧チェックポイントをまじめに全部チェックして見ることにしました。年末で落ち着いて取り掛かれることも大きなチャンスです、今まで作りっぱなしで、全体的な電圧チェックはしていませんでした。いつやるの!今でしょ!!!!!
その結果がこんな感じです。
左の図は回路図、右の図は実際の配線図です。
真ん中のオレンジのボックスに実測値を載せました。回路図と配線図を見比べながら測定ポイントを探すのに結構頭を使いました。

結論を言えば、(誤差の範囲内で)まったく想定どおりの電圧が出ている、といえそうです。
ということは、この音が最初からぺるけさんの想定していた音であり、今までの改造なども問題なかったといえそうです。ひとまずは安心しました。
しかし、、、さて、なぜ音の傾向がこうも違うように思えてしまったのかという疑問は残ります。
今となっては テイストの異なる CarrotOneとぺるけ式HPAは両方とも使っていこう、楽しもうという気になりました。実はCarrotOneは処分しようと思って最後に音を聞いてみたのですがそのあまりの傾向の違いに、結果的には今まで自分はどんな音をヨシとしてきたのかを自分に問いただすことになってしまったのです。